#15『金曜日の本屋さん』 名取佐和子
『金曜日の本屋さん』① 名取佐和子(ハルキ文庫)
『金曜日の本屋さん 夏とサイダー』②
『金曜日の本屋さん 秋とポタージュ』③
『金曜日の本屋さん 冬のバニラアイス』④
今日は金曜日!
ということで、少し狙ってみました。
全4巻で完結しております。順番はタイトル横の数字になります。
<あらすじ>①巻裏表紙より引用
”ある日、「北関東の小さな駅の中にある本屋は”読みたい本が見つかる本屋”らしい」というネット上の噂を目にした大学生の倉井史弥。
彼は、病床の父に以前借りた本を返すように言われたが、じつは失くしてしまっていた。
藁にもすがる思いで、噂の駅ナカ書店〈金曜堂〉を訪ねる彼を出迎えたのは、底抜けに明るい笑顔の女店長・南槇乃。倉井は南に一目惚れしてー。
人と本との運命的な出会いを描くハートウォーミングストーリー、開店!”
<感想>
作中に登場する金曜堂という本屋さん。
店長の本に関する知識量がすごい。加えて温かな人柄。
ちょっとした食事もできる金曜堂。
実際にあったらいいなと思いました。
この本を通して、手に取った作品がいくつかあります。
例えば、『六番目の小夜子』(恩田陸)、『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)、『ハルさん』(藤野恵美)などなど。
少しでも話題に上がったものは、全て最終ページあたりに記載されているんですが、その数がすごく多い!漫画も本もいろんなものが登場します。
よく”本は海だ”と言われる気がしますが、一冊の本から他作品に興味をもち、読書がつながっていくことがあります。この本では、足を運ぶ本屋とは別に、読む本屋さんとして、いろんな本に出会うことができました。
シリーズものではありますが、一気に読めるタイプのおもしろさというよりは、少しずつ読む方が合う気がします。
~まとめ~
本と人の物語は、人それぞれでおもしろいと感じました。
あと、丹地陽子さんの表紙絵がいい!
おススメ:誰でも。本屋好きな人、ほんのり心温まる物語が好きな人
ジャンル:職業、ハートフル
#14『十字屋敷のピエロ』 東野圭吾
高校生の時に読みました。
久しく読書をしていなかった高校時代。
急に父が「なんか本読もか」と言い、地元の本屋さんで選び、買い、読みました。
お金がなくて貧乏だけど、衣食住を優先させる方がいいにちがいないのに、久しぶりに本を買って読んでしまいました。
そしてこの本から、読書が習慣化となる、思い出の一冊です。
(ちなみに貧乏なのは今も変わらない(笑))
<あらすじ>裏表紙より引用
”ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば・・・・・・しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。
前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。”
<感想>
読後からもうじき10年程経とうとしているので、記憶が曖昧です。
怒らないでください。
ただ、当時高校生で、本を読むことに苦しみもあった自分が、のめり込んで読んだ記憶があります。
そしてここから狂ったように、東野圭吾だけを続けて読み漁ります。
ある好きな食べ物を狂い食べしすぎて、気持ち悪く感じ、むしろ嫌いとなってしまうこと、ありませんか?
それと同じ様に、この後、東野圭吾作品を途中から読めなくなってしまいました。
(今は大分戻りました)
えーと、何をいいたいのかといいますと、自分にとっては、東野圭吾にハマるきっかけとなった本であり、本を読むことのおもしろさを思い出させてくれた物語です。
作中に登場するピエロ
このピエロ、他作品にもそれを思わせる形で登場しております。
ちょっとした遊び心のようで、気づいたときは嬉しくなります。
東野圭吾作品読んだ方なら、どの作品か心当たりがあるのではないでしょうか?
自分語りが多く、内容にはあまり触れない感想の書き方ですが、読んでいただきありがとうございました!
おススメ:誰でも。
ジャンル:ミステリー、人形師、ピエロ
#13『七回死んだ男 新装版』 西澤保彦
七回死ぬってどういうことだ?
七という数字に何か意味がある?
この感じはループものだな?・・・・・・等々タイトルから惹かれて購入しました。
このころ、購入する本全てがとても面白いという、自分の本選び直観がさえていたので、本作品にも期待を寄せて購入しました(自分の選び方がいいのではなく、いい本が書店に並んでいたことには考えが及んでいません)。
ちなみに当時おもしろループが続いているときに読んでいた本。
どちらも江戸川乱歩賞受賞してる・・・・・・。
そして本書
<あらすじ>裏表紙より引用
”高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めるに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うために久太郎はあらゆる手を尽くすがー。
鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!”
<感想>ネタバレ注意!
おもしろかったです。
少しコメディ感のある感じが、ストレスを感じずに読めてよかったです。
登場人物のほとんどに共感は別に出来ませんが(笑)。
最後の種明かしは、頭がこんがりそうで、そのこんがり具合がループものの醍醐味の一つだと思いました。
いつも分かったような分からないような感覚に陥りがちですが、筒井康隆先生の『時をかける少女』をはじめ、いろんな作者の方の独自の視点で描かれる、ループものというジャンルが好きです。
『時をかける少女』では、時間に関する基礎的な見方を教えてもらった気がします。特にパラレルワールドの概念については、ハンカチの縦糸と横糸に例えての説明があったので、分かりやすい!と思った記憶があります。
と、本書について話を戻します!!(ループものはどんどん別作品に派生するのも醍醐味だと思います)
全体を通して面白かったんですが、恋愛については上手くいってほしくなかった気もします。主人公が想いを寄せている秘書の女性が、実は裏で糸を引いていた人間だったとかを期待しておりました(自分はひねくれものなので)。
おススメ:誰でも。ループ×ミステリーの組み合わせを読みたい人
ジャンル:ループもの、ミステリー
#12『黒い羊』 LS・ホーカー
『黒い羊』LS・ホーカー
タイトルになんとなく興味をもって購入。
最初は不安で積読したこともあったが、途中からハラハラしてきて読んでしまった。
表紙が結構迫力ある。
こわい。
<あらすじ>裏表紙より引用
”地元ラジオ局のDJとして成功し脚光を浴びてから、ネッサの悪夢は始まった。
夫は人が変わり、何者かがSNSで彼女の名を騙っては過激な差別発言を繰り返し、仕事も家庭も次第に崩壊していく。
そんななかブログに投稿された、謎めいたコメント。そこには、ネッサが捨てた本当の名前が匂わされていた・・・・・・。
異常なストーカーの正体、そして誰にも知られてはならないネッサの過去とはー。”
<感想>ネタバレ少しあります。
ネッサ(主人公)には悩みの種がいくつかあります。
まず一つが別れた元夫(薬物中毒者)。
二つ目がブログのコメントに残された、自分自身の秘密に関わるもの。
絶対に知られてはいけない秘密を、匿名の誰かが知っているかもしれないという恐怖。
そしてそれらが、自分達家族に危険を及ぼすのではないかという不安。
主人公の不安に引きずられるように、読んでいる間はどこかわからないけど、黒々とした不安を感じます。
加えて、この主人公は信用できるのか。
読んでいる間は、主人公がいろんな被害を受けていることに対して、怖いと感じますが、主人公自身はアルコール依存症でもあります。必死に克服し、アルコールとの断ち切りに成功しておりますが、主人公の幻覚とみることもできてしまいます。
誰を味方とみて読めばいいのか視点が定まるのに、多少時間がかかりました。
~テーマ~
主人公が自分自身を諦めず、捨てず、仕事も家庭も人間関係も自暴自棄にならずに頑張っている姿がよかったです。
あと、アルコール依存や薬物中毒などについて、結構怖くて過激な描写があるかのように思います。
でも、それとの向き合い方で頑張っている人。成功している人もいるというロールモデルを物語上でみせてもらった気がします。
本書は依存症についての物語という一面もありますが、それ以上に主人公の粘り強さに元気をもらえる一面、そしてミステリー要素もある複合的な作品だと思います。
おもしろかったです。
おススメ:うーん、描写の捉え方にもよるので20代~かな。
ジャンル:サイコ・スリラー、ちょっとミステリー、海外
紙版の在庫はアマゾンではありませんでした(2022/9/20時点)
新川直司新作タイトル発表 過去作品『四月は君の嘘』『さよなら私のクラマー』
新川直司先生、新作始動するらしいですね!
ツイッターの作品公式アカウントで発表されてました。
楽しみです。
次の作品名は『アトワイトゲーム』とのことです!
おぉ、どんな内容なんだろう、ワクワクです!
過去に出版された『さよなら私のクラマー』の記事があります。
よかったら暇つぶしにでもみてみてください。
#11『怒りのロードショー』①~③ マクレーン
『怒りのロードショー』①~③(③巻はまだ読んでません)マクレーン
(③巻はまだ読めてないです。①と②巻までよんだ感想になります。)
漫画です!
フフ、力抜けてついフフッて笑っちゃう。
多分出会いはヴィレッジヴァンガードだったかな。
自分自身がぐちゃぐちゃで、何かに特化したいとか考えてたときに出会った気がする。
今も変わらず自分探し中ですが、肩の力が抜ける、面白い作品です。
目次(このブログは早ければ2分で読み終わると思うよ!)------------------------------
・あらすじ
・感想
・商品リンク
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<あらすじ>①巻裏表紙より引用
”くだらない、タメにならない、映画愛にだけはあふれたムダ話の数々。これが映画バカの青春だ!!”
<感想>
いやぁ。1巻完結で終わりかと思ったら、まさかの2巻、そして3巻まで出ちゃってた。
3巻は買いそびれてしまってたんだ。今回それを思い出して、ちょっと買って読もうかなという気持ちが再燃してきた。
映画が大好きで、こだわりをもって生きている人間たちがワチャワチャする物語。
何か好きなことをとことん楽しんでいる人っていい。
作り手だけでなく、受け手側・観る側の知識量が多くて、自分が知らない世界がたくさんあることを知ることができる。
登場人物には、プリキュアが好きな人だったりプリキュアが好きな人だったり・・・がいる。
好みのジャンルは分かれても映画を好きなことには変わらず、友人であるところがいい。
こんな友達いいなぁ。
ずっと語り合えるんだろうな。楽しそうだ。
何だか感化されて、『E.T.』を今更ですが観てしまいました。
おススメ:誰でも。映画好きな人(特にスピルバーグやシュワルツェネッガー好きは分かりあえるかも?)
ジャンル:な、なんだろう。映画、日常、青春かな。
残念ながらアマゾンでは①と②巻は紙版の在庫がありませんでした(2022/9/19時点)。
ちなみに新都社版は8話まで無料で読めるそうです。
作者のマクレーンさんのツイッターに、リンク先が用意されているので、ご興味がある方はのぞいてみてもいいかもです。
③巻は紙版の在庫あります(2022/9/19時点)
#10『誰かが嘘をついている』 カレン・M・マクマナス
『誰かが嘘をついている』カレン・M・マクマナス(東京創元社)
ジュンク堂書店にて、
「あーミステリもの読みたい、今の気分的に海外ものかな、とりあえず東京創元社の棚見よう。それでいて新しい作者と出会いたい。」
とかなんとかブツブツ考えながら、タイトルを目で追っていくなかで、
「ムムッ、これはなんだ!」と手に取った小説。
タイトルが『誰かが嘘をついている』・・・。
いや推理小説なんだから、誰かは嘘つくもんなんじゃ?
加えて帯の「高校生5人と教師しかいない理科室での殺人!」という言葉に惹かれ、買っちゃいました!
長々とした経緯を読んでいただきありがとうございます。
<あらすじ>裏表紙より引用
”放課後の理科室で、5人の高校生がルール違反の罰で教師に作文を書かされていた。だが突然、生徒の1人サイモンが苦しみだし、病院搬送後に死亡する。検視の結果、警察は事件性があると判断した。サイモンは生徒のゴシップを暴くアプリを運営しており、ほかの4人は全員が彼に秘密を握られていたのだ。4人は順繰りに事件について語っていく。いったい、誰が何を隠しているのか?”
<感想>
おもしろかった!
好きな作品の1つです。
ただ、好みは分かれるようで、比較的若年層の読者が多いイメージです。
『ニューヨーク・タイムズ』YA部門のベストセラーリストに60週ランクイン(東京創元社公式サイトより)したようです。
事件現場に居合わせた4人の高校生それぞれの視点から、事件や人物評価などについて語られている。そのためか第三者の客観的視点がない。けれども、それぞれの視点で語られていることが、正直なものなので、なんだか親近感が湧いてきてしまっていた。
一冊で完結する物語ですが、つづきとなる作品も出ているようです。まだ日本では出版されていないので、発売を期待しております。
~海外小説の学生~
海外の高校生ってちょっとかっこいい。
本書だとアメリカの高校生ということになるけど、大学の準備のためにいろんな書類をテキパキとこなす姿とか、大人になるために自分を振り返りつつ、何が自分にあっているかを考える場面とか・・・。悩みもやっていることも日本と同じように思うけど、”自分が自分自身のために”という意識が強い気がする。
うん、ちょっと憧れる。
おススメ:高校生~
ジャンル:ミステリー、学校、海外