#35『スワン』呉勝浩
『スワン』 呉勝浩
ショッピングモールで起こった殺人事件。
生き残った人々の内、5名が集められる。
あの時、あの場所で何が起きたのか、語られる内容は真実か偽りか。
センセーショナルな事件が起きたとき、私たちはどう行動するのか。
考えさせられました。
おもしろかったです。
被害者であるにも関わらず、非難の声を浴びる苦しみや無力感を感じられました。
ニュースを見ていると、いつどんな事件が起きるか分からない現実で、「自分ならどうするか」「その時どう動けるか」という視点で読んでいました。
少し読みづらいなと感じたのは、ショッピングモールを動き回る犯人の動きです。読み込む努力が薄くて申し訳ないですが、事件後からがこの小説の本筋なので、冒頭の犯行シーンに苦しみを覚えて、そこで読むのを辞めるのはもったいないと思います。
ぼやぼやした感想ですが、事件が起きた後、せめて第三者によってまた被害者を生み出さないようにしたいと感じました。