#37『いつか響く足音』柴田よしき
お久しぶりです。
毎日憂鬱な日々を送っております。現実を好転させるのは難しいですね。
それはさておき、いやそんなときこそ物語の世界に浸り込みたい。頼りたい。助けてほしい。
ということで最近読んだ本の感想を。
『いつか響く足音』柴田よしき
舞台は団地。住人が密かに抱えている闇を、連作短編形式でとりあげている。タイトルの「いつか響く足音」というのが、人によって別の意味となるのが、読後に余韻を感じられていい。
物語全体に悲しい懐かしさが漂っており、不安と焦燥があるにもかかわらず、なぜか時の流れがゆるやかに感じられる。おじいちゃんの家に行くとゆるやかな時間を感じるという現象に若干近いかもしれない。(自分だけか?)
内容に関することはミステリー感も含まれているので書きませんが、個人的には猫を撮り続ける写真家の話が好きです。
表紙も好きです。