『黒い羊』LS・ホーカー
タイトルになんとなく興味をもって購入。
最初は不安で積読したこともあったが、途中からハラハラしてきて読んでしまった。
表紙が結構迫力ある。
こわい。
<あらすじ>裏表紙より引用
”地元ラジオ局のDJとして成功し脚光を浴びてから、ネッサの悪夢は始まった。
夫は人が変わり、何者かがSNSで彼女の名を騙っては過激な差別発言を繰り返し、仕事も家庭も次第に崩壊していく。
そんななかブログに投稿された、謎めいたコメント。そこには、ネッサが捨てた本当の名前が匂わされていた・・・・・・。
異常なストーカーの正体、そして誰にも知られてはならないネッサの過去とはー。”
<感想>ネタバレ少しあります。
ネッサ(主人公)には悩みの種がいくつかあります。
まず一つが別れた元夫(薬物中毒者)。
二つ目がブログのコメントに残された、自分自身の秘密に関わるもの。
絶対に知られてはいけない秘密を、匿名の誰かが知っているかもしれないという恐怖。
そしてそれらが、自分達家族に危険を及ぼすのではないかという不安。
主人公の不安に引きずられるように、読んでいる間はどこかわからないけど、黒々とした不安を感じます。
加えて、この主人公は信用できるのか。
読んでいる間は、主人公がいろんな被害を受けていることに対して、怖いと感じますが、主人公自身はアルコール依存症でもあります。必死に克服し、アルコールとの断ち切りに成功しておりますが、主人公の幻覚とみることもできてしまいます。
誰を味方とみて読めばいいのか視点が定まるのに、多少時間がかかりました。
~テーマ~
主人公が自分自身を諦めず、捨てず、仕事も家庭も人間関係も自暴自棄にならずに頑張っている姿がよかったです。
あと、アルコール依存や薬物中毒などについて、結構怖くて過激な描写があるかのように思います。
でも、それとの向き合い方で頑張っている人。成功している人もいるというロールモデルを物語上でみせてもらった気がします。
本書は依存症についての物語という一面もありますが、それ以上に主人公の粘り強さに元気をもらえる一面、そしてミステリー要素もある複合的な作品だと思います。
おもしろかったです。
おススメ:うーん、描写の捉え方にもよるので20代~かな。
ジャンル:サイコ・スリラー、ちょっとミステリー、海外
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