『Iの悲劇』米澤穂信 文春文庫
読み終わりました。ちょこっと感想を。
<内容>
住んでいた人々が皆いなくなり、住む人がいなくなった集落が舞台。
村を復活させようと、Iターン(もともと都市部に住んでいた人が地方に移住し定職に就くこと)で定住をはかるプロジェクトが行われることになった。
そのための部署・甦り課に所属する主人公。
移住者からの相談事に振り回されつつ、公務員として仕事を行うのだが・・・。
<感想>
おもしろかったです。
米澤穂信さんの小説を読んでいると、いいモデルケースとなりそうな人間が登場するところが好きです。あと、現実にいそうな人間が大勢いるので、なんとなくどうにも上手くいかない現実の、物哀しさみたいな雰囲気が好きです。
最近流行り?の田舎暮らしですが、本書で描かれている地方移住は、移住者にとってメリット・デメリットが描かれているのに加えて、地方財政への影響や役所職員の仕事は何が増えるのかなどといった波及した物事も知ることができ、興味深かったです。
甦り課の職員さん、また別の物語でも登場してほしいなぁ。