#7『パラダイス・ガーデンの喪失』 若竹七海
『パラダイス・ガーデンの喪失』若竹七海(光文社)
くくく(笑)
おもしろかったです!
本書はコロナウイルスが世界を席巻した現代が舞台。
くくっと笑える毒と、あらゆる意味で個性的な人々が、勝手気ままに動くユーモラスが絶妙に心地いい。
多分、コロナでステイホームのお供に、という意味もあって書いてくれた気がします。うん、多分・・・。
<あらすじ>(裏表紙より引用)
2020年秋、葉崎市の崖の上にある個人庭園〈パラダイス・ガーデン〉で、身元不明の老女の自殺死体が発見された。庭園のオーナー・兵藤房子は自殺幇助を疑われ、ささやかな彼女の暮らしは大きく乱される。葉崎署の二村貴美子警部補が捜査に乗り出すが、この事件をきっかけにそれぞれの人物が抱える綻びが連鎖しはじめ、葉崎市に隠されていた謎がモザイクのように浮かび上がっていく・・・・・・。
<感想>
読んだのは約1年前となります。
若竹作品新作出た!と文庫本の発売を待たず、単行本で購入しました。
伏線がパッチワークのように重なりあい、真実を浮き彫りにしていく。
パッチワークと犯罪を絡めた作品は初めて読みました。
加えて現代と同じく、コロナによるマスクやパーテーションという言葉が登場。新鮮でした。
コロナのカオス状態がここに残っております。
若竹作品によく登場するような、フリーランスで活動し生活している人に憧れます。
人間力があるといいますか・・・。そんな人に自分もなりたいなぁ。
おススメ:誰でも、
ジャンル:ミステリー、ブラックユーモアのような
シリーズものではありますが、特に続きという訳でもなく、単独作品として楽しめます。
装画の杉田比呂美さんの画も味がある。毎度。